はじめに
アメリカのボーディングスクール受験において、キャンパス訪問は学校の雰囲気や施設、環境を実際に確認できる貴重な機会です。
しかし、まだ受験生が少ない日本ではキャンパス訪問に関する情報はあまりありません。そこで実際にご経験されたご家庭から経験談を手記として提供していただきました。
シリーズで当サイトで公開しておりますので、これからのキャンパス訪問を予定されているご家庭にとり参考になれば幸いです。
当記事では、マサチューセッツ州にあるBerkshire Schoolについてです。
Berkshire School
キャンパス訪問2日目の朝、ホテルで用意されている簡単な朝食をいただいたあと、慌ただしくチェックアウト、目的地であるBerkshire Schoolへ向かいます。
途中、思ったより時間がかかりギリギリの到着となりました。アメリカでは道路工事やら踏切りやらあり得ないぐらい長い時間待たされることがあります。早めを心掛けても想定外でした。
今度は、昨日の学校とはうってかわり、キャンパスはひたすら広い平原で、その中にポツン、ポツンと校舎の建物がある、という印象でした。
学校の裏に大きな山があることで、この学校の方たちは、学校のことをよく「Under the mountain」と言っています。(ちなみに住所もUndermountain Roadです。)
訪問するまでは、学校のウェブサイトやZoomイベントを拝見している限りでは、私としては、大きな山が背後にあっては、圧迫感を感じないかしら、とか、この異常気象のご時世で土砂崩れは大丈夫かしら、と思っていました。
しかし、実際に訪問してみると、確かに山はあるものの、圧迫感というものは感じませんでした。逆に、ただただ、広い空間が広がっている解放感そのもののキャンパスでした。
Bears
学校では、生徒たちを「Bears」と呼んでいて、学校からのニュースレターもタイトルは、「Bears’ Den」。まぁ熊が出そうなところなのだろうなぁとは予測していましたが、本当に野っぱらです。(もちろん整備されていてとても綺麗です。)
アドミッションオフィスは小さな可愛らしい建物の中にあります。ニューイングランドスタイルの小さな古い建物をそのまま使っているようで、床はミシミシというような趣あるたてものでした。インテリアも素晴らしい。こちらのラウンジで待つ他のファミリーは、ご夫婦で背がとても高い方たちだったのですが、パパのヘアスタイルがベルサイユの薔薇(古い!)にでてきそうなヘアスタイルをしていてかなり特徴的。○○8世なんて名前がぴったりすぎて気になって仕方ありませんでした。(笑)
これは娘も同じで、後ほど学校を出たあとに、まず口から出たのが、「あの人の髪型すごかったね。」でした。
入学してから娘がつきあっていく同級生たちがどういう雰囲気になるのかは関心事の一つなので、どういう雰囲気のご家族が受験に来ているのかは、興味がありますし、大事なチェックポイントの一つだと思います。
また、今まで日本では聞いたこともない学校を受験するわけで、日本で私立学校を受験するように、あの学校のカラーはこんな感じよね、といったような感覚が全くわかりません。従って、受験生たちの家族の雰囲気、というのは貴重な情報の一つとなります。
訪問するまではBerkshireはカジュアルな雰囲気なのかと思っていました。というのもの、こちらの学校は、いわゆる超名門、有名校が集まる地域からは離れ、いわばさらに田舎にある小さめな学校ですし、また、それらの学校に比べると創立が1907年と割と新しい学校なので、リベラルでカジュアルな印象を持っていたのです。
従って、お会いしたような高貴な雰囲気のご家族もいらっしゃるのが印象的でした。
立派すぎる施設
キャンパスツアーに話を戻しますと、こちらの学校はとにかく、設備が素晴らしすぎました!神宮アイススケート場よりも広々としたアイススケートリンクが二つ(一つは工事のため一時的にダイニングホールに使用中)、スポーツで怪我した時用にスポーツ専門のリハビリ施設もあったり、とにかく大きい。こんなに至れり尽くせりな施設はあるのかと思うぐらいです。
おそらくちょっとした大学よりも立派な施設だということです。従って、大学に行ってからがっかりしてしまう、ということも、あるあるな話だそうです。確かに、贅沢すぎる。。アイススケートリンクは維持費がかかるでしょうから、子供がアイススケートをやらない場合は、学費がもったいないなぁ、なんて考えていました。
スポーツだけでなく、こちらはScienceの施設もとても充実していて、おそらく高校ではここにしかないだろうといわれているような高性能な顕微鏡もあるようです。ガラス貼りになっていて、Scienceセンターの中が見えるのですが、こんなに綺麗で設備が整った本格的な研究室を初めて目の前で見た、と思いました。また、天文台もあります。
訪問した時は、大がかりなリノベーションをしているので工事現場もありました。日本だと工事中だとか、工事を控えている、といわれると敬遠されることもありますが、こちらでは常に工事をして新しい施設をつくったり、リノベーションをしているということは学校としてよいサインと受け止められるそうです。
気になる寮は、というと、まぁこんなものか、という感じでコモンルームも昨日見た学校よりかはやや広いが、学校の他の施設からすると今一つという感じだったのが正直なところです。
住めば都ですから、そんなことはすぐに慣れるのでしょうが、憧れの寮生活、入学したら4年間の家となるのですから気になるところではあります。
そして面接
さて、広いキャンパスを一通り歩き、再びアドミッションオフィスに戻ると、面接です。
待合室は、そこまで広くなく、大きめなソファセットが2つぐらい、あとはテーブルと椅子のセットや椅子が少しおいてあるぐらいだったのですが、すでに他のファミリーがソファにいたので、私たちは、小さな椅子の方で荷物を置くのもちょっと困るぐらいな感じでした。
一方、ソファの方はだいぶ大きいのに、子供を待つ両親2人だけで陣取っていて、こちらのことは全く意に介さず、なのでちょっとおや、と思ったのは覚えています。
今回は、男性の面接官でした。待っている間に私は2階のお手洗いに行こうとしたのですが、どこかわからずきょろきょろしていたら、とても感じよく教えてくださった方でした。
娘の面接が終わると私の番。私は、また娘のインタビューのフィードバックを受けたのち、質問がくるかと思いきや、何か聞きたいことはありますか?とすぐに聞かれたので、ちょっと拍子抜けしました。
何を聞こうかちょっと焦りましたが、面接官の方が、その夏にBerkshireに来たばかりというので、生徒さんの印象はどうか?とか学校の今後の方針などについて伺いました。とはいえ、あまり聞くこともなく、そして会話を弾ませるほどの力もなく、、しどろもどろになっていると、娘さんの面接がほとんど全てで、得たい情報は全部得ていますから、というようなことをいってくださいました。
後で聞くと、娘は、面接官がちょっと冷たい感じだったという印象だったようです。全ての学校の面接を終えた後も、一番固い面接だったという印象だそうです。私は、トイレの場所を教えてくれた優しいおじさん、というイメージだったので全くそんな印象はなく、物静かなやわらかい良い方という印象しかありませんでした。
全て終え、アドミッションオフィスを出て、ほっとしてキャンパスを見渡すと、やっぱりただただ、広い。そして静か。冬はどんな感じになるのだろう、と思いながら、キャンパスを去りました。
IESでは、ボーディングスクール受験のためのサポートをしております。
ボーディングスクール受験においては、情報が少なく、どのような学校がよいかに始まり、どのように出願書類を仕上げていくか、エッセイの仕上がりはこれでよいのか、推薦状はどうするか等、様々な疑問が常時わいてきます。
お子様のボーディングスクール受験を成功させるために全力でサポートいたします。
ささいなことでもどうぞお気軽にご相談ください。