特に高校生以下で留学を考える場合、エージェントやコンサルタントをつけるかは多くの人が一度は悩む問題なのではないでしょうか。
コンサルタントを頼むにはコストもかかるもの。英語のやりとりは自分でできるし、わからないことがあれば学校に聞けばよいし、自分たちで何とかなるだろう、と思わなくもありません。実際、コンサルタントを頼まず自身で全て行って合格されている方もいらっしゃいます。
コンサルタントをつけるかつけないかは、ケースバイケースなので、当然でのことではありますが、生徒様、ご家族の状況に応じて決められるとよいと思います。
以下、コンサルタントをつけるかどうか迷っている方のために、コンサルタントをつけるメリット・デメリットについてご紹介します。
留学におけるコンサルタントとは
そもそも留学エージェント/コンサルタントとは何でしょうか。エージェントとコンサルタントで正確な定義があるわけではありませんが、一般的な認識としてそれぞれ異なる役割があります。
<留学エージェント>
留学エージェントは数多くあり、語学留学やスポーツ留学などを取り扱う会社など、数多くあります。留学先紹介から留学にいたるまで、渡航や留学での宿泊場所の手配など、手続き一切も代行してくれます。留学先は、会社が既に持っているネットワークの中から、選ぶ形が多いようです。
<留学コンサルタント>
留学コンサルタントは、ボーディングスクールや大学などへの留学において、受験生の希望、興味、性格、技能などをヒアリングして、志望校を共に選定し、願書作成から出願手続きの過程を受験生、家族と共に伴走します。名称のごとく、よりコンサルティングの要素が強くなります。もちろん、依頼すれば手続き一切も代行します。
エージェントやコンサルタントによってスタイルもサービス内容も様々ですし、サポートの深さももちろん会社、さらに言うと担当者それぞれです。
従って、受験生やそのご家族が求めるサービスが何かを明確にして、会社が提供するサービスや費用を吟味して選ぶことになります。
以下ではおもに、コンサルタントについてそのメリット・デメリットについてご紹介します。
コンサルタントを依頼するメリット
1. 受験の流れをわかっている/細かい手続きをわかっている
学校のウェブサイト等から情報も得られますし、わからないことがあれば学校の担当者にメールで聞くこともできる時代、自分で調べようと思えばもちろんできます。とはいえ、自力では限界があるものです。経験しているからこそ、わかっている準備や手続きの細かい部分まで把握しているので、整理だてて道案内をしてもらうことができます。
2. 細かいことをすぐに聞くことができる
1と重なりますが、慣れない受験では、準備を進めていくうちに、わからないことがパラパラと出てくるものです。インターネットでリサーチしてすぐに答えがみつかればよいですが、なかなか情報は少ないですし、たとえ、それらしき情報をみつけてもそれが正しいかはわかりません。
学校にいちいち聞くのもリスポンスがいつくるかわからないですし、あまり細かいことを聞きすぎるのも気が引けるものです。
また、海外進学に関しては、日本での中学受験や大学受験に比して圧倒的に少数派なので聞く人も身の回りにいません。そうなると、思い立ったときに、そのつど聞くことができるのは大変心強く、有用です。
3. 留学スタイルを提案してくれる
そもそも、まず学校を決める前に、どこの国がいいか、も決める必要もあります。国によって、学校の制度が異なるので、どの国の制度が生徒様に合っているか、というところから考える必要があります。
また、寮生活がよいのか、ホームステイがいいのか、またはインターナショナルスクールがよいか、現地校がよいか、等々、留学といっても様々な形をとり得るので、どの方向性にするかを決める必要があります。
そういった根本的なところから、お子様の性格・能力、ご家族の状況を考慮して、提案してくれるコンサルタントもいますし、ご希望のままに、といって判断はこちらにまかせるコンサルタントもいます。
4. 学校を数多く知っている
コンサルタントは学校も数多く訪問していますので、それらの学校の特徴を知っています。従って、ご自分のリサーチでは浮上してこなかった学校以外でも、おすすめの学校などを紹介してくれたりします。
また、学校のウェブサイトからだけではわからない、学校の特色や、最近の動向についても知っている場合があるので、自分だけのリサーチではわからない、生徒様に合った学校を紹介してもらいやすいといえます。
5. 学校とコネクションがある・学校にとり安心要因になる
実際に生徒様を送り込んできた学校とは、コネクションもあるので、個別に学校に生徒を売り込むということもあります。また、コンサルタントが学校と信頼関係がある場合は、そのコンサルタントが推薦しているといこと自体が、その学校に向いている生徒を紹介してくれているということになり、学校にとっても安心材料となります。
6. 出願対策を個別にたててもらえる
海外進学では、学校の成績、TOEFLやSAT/SSATのスコア、課外活動、エッセイ対策・面接など、様々な資料を提出しなければなりません。それらの全体像を把握して、どのようなストーリーにするか、そしてどこに力を入れるべきかなど戦略をたててもらえます。
7.エッセイ対策・面接対策をしてもらえる
入試における要ともいえるエッセイ対策・面接対策などは、どうしても第三者の目が必要となり、自分一人では対策することは難しいエリアです。そのあたりも、傾向を知っているコンサルタントが行ってくれます。
コンサルタントを依頼するデメリット
1. 費用がかかる
何と言っても最大のデメリットは、これにつきるでしょう。笑。人生を左右するステージで、後悔しないために必要と思えるコストかどうかで判断するしかありません。コンサルタントにより料金体系は異なるので、詳細に検討し、自分たちが本当に求めるサービスを提供しているか、そしてそれに見合った料金か、まずはじっくり検討することが必要です。
フルパッケージでサービスを提供していて融通がきかないか、または生徒様、ご家族のニーズにあったサービスをフレキシブルに提供し、料金もフレキシブルにしているかどうか、など、それぞれに合った形を検討する必要があります。
2. コンサルタントを探す手間がかかる
学校探しをする前に、まずコンサルタントを探すことになります。少なくとも半年から長くて2,3年近く、大切なパートナーとなるわけですから、相性が大事ですし、サービス内容、料金体系など吟味しなければなりません。
比較するために数件でも面談すればそれなりの手間にはなります。ですが、パートナー選びを間違えては後々大変になるので、ここは慎重に行う必要があります。
また、コンサルタントの多くは初回の相談は無料で行っているので、お話をするだけでも情報収集をすることができます。従って、コンサルタントに頼むかどうか迷っている場合でも、とりあえず話を聞くのがおすすめです。
3. コンサルタントの力量にばらつきがある
これはコンサルティングサービスにおいては仕方のないことなのですが、やはり担当するコンサルタント個々人の力量にサービスの質はかかっています。
面談をして、信頼できるか、そして、実績や経験を確認するのはもちろんのこと、経験者からの紹介というのも一つの安心なルートではあります。ただ、他の人にとっては良かったとしても、自分にとって良いかは保証ありませんので、たとえ紹介があったとしても、自分の目で確かめることは欠かせません。
また、親身になってくれると思ったものの、蓋をあけると、案外事務的だったり、または重要な判断で迷っている時でも、「それはご自身の判断で決められてください。」といったように突き放されてしまうこともあります。(そういった方からご相談をいただくケースが結構多いです。)
一度会っただけでは、そこまで見定めるのは難しいものですが、齟齬があった時のためにもフレキシブルに動けるとよいものです。
4.アドミッションのストーリー作りが不十分な場合がある
トップ校レベルの受験の場合、どうしてこの学校に留学したいのか、を自分をさらけだして、演出することが必要です。そして、自分のストーリーを補強するために、実績をつくる必要があるのですが、そのあたりの戦略だてまではそこまで立ち入らないコンサルタントが多いようです。その辺はご自分でご用意ください、といったスタンスです。
もちろん受験校によっては、そこまでの準備は必要ない場合もあります。ですが、トップレベルの学校を狙いたい場合は、この部分がコンサルタントのサービスとして本質的なところで、最も必要とされるところではないかと思われます。まさに、出願サポートにとどまらない、コンサルティングの領域なので、コンサルタントによって最も差がつくところです。
コンサルタントに頼んでいるから大丈夫、と安心してしまい、逆に何もしなかった、となっては手遅れになることがあります。
4. 紹介してくれる学校に偏りがある場合がある
どのコンサルタントも、どの学校も紹介できるし、特定校のみに送るということもない、といいます。しかし、コンサルタントは、生徒様を送り込んだ実績がある学校のことは良く知っているので、リストアップしてくれる受験校も、おのずとそれらの学校が多くなります。
ただ、送り込んだ実績がある、というのは、例えば留学生を受け入れる体制が整っている、とか、クオリティが高い、という理由でもあるので、偏ること自体が即デメリットという訳ではありません。自然な結果、とも言える訳です。
ただ、そのコンサルタントが得意としてる学校かどうか、で左右されてしまうのは事実です。また、それらの学校が、コンサルタントの好みという場合もあるので、それが本当に自分にあてはまるかもわかりません。
コンサルタントによって、例えば、ESLも揃っていて留学生が入りやすい学校に強いのか、または現地でもトップレベルの学校に強いのか、といった特色がある場合もあります。
従って、依頼を決める前に、どの学校に実績があるか、またどういう内容の留学に強いのか、というコンサルタントの特色を確認する必要があります。
5. 大規模なコンサルティング会社の場合、利益相反がおきる
これは、大規模な大学入試ではあまり関係のない話で、ジュニアボーディングスクール・ボーディングスクールなど大学に比して少人数の私立校受験の場合の話ですが、大規模なコンサルティング会社に依頼すると、複数のクライアントが同一の学校を受験する、という事態が生じ得ます。だからといって会社がしっかりしていれば、具体的な問題があるわけではありませんが、受験生の立場としては、担当する会社が自分のライバルも担当している、という事態はあまり気持ちの良いものではありません。
また、実際問題として、もしコンサルタントが複数名を推薦してくると、学校側としては、結局どの子が最有力なんだ、という話になるため、コンサルタントとしても学校の規模を勘案しつつ、複数名を同一校に推薦することはなるべく避けるのが実態です。
他の受験生の事情で自分の受験校決定が影響されるのは納得がいかないところなので、この点は考慮した方がよいでしょう。
5. フレキシブルに受験ができない場合ある
多くのコンサルタントが、基本料金の中で、3校~5校ほどの受験をサポートすることが想定されており、それを越えて出願する場合は、追加の料金がかかることがあります。
1校追加すれば、その分コンサルタントの手間が増える、そしてその力が実際に必要であれば、追加料金を支払う意味はありますが、実際には、他の学校で用意した基本資料が整っていたら、追加の出願は自分でできる場合もあります。それにもかかわらず、追加料金をコンサルタントにも支払わなければならないとなると、追加受験に躊躇してしまうこともあります。コンサルタントがいるために、受験を見送る、というちょっと本末転倒な結果にもなってしまうわけです。
6.面接対策・エッセイ対策がイマイチ?
肝心かなめな面接・エッセイは、表面的な対策では足りず、時間をかけて、深く思考することが必要です。そのアドバイザー自身にも実戦の経験が欠かせません。コンサルタントによっては、クライアントのエッセイや面接を手伝ってきたものの、自身では、実はその経験がなかったりする場合もあります。もっと深いところまでアドバイス、添削してくれるかと思いきやそうでもなかったりということもあるので注意が必要です。
以上、コンサルタントを依頼するメリット・デメリットをご紹介しました。
何事も完璧を求めることはできないという割り切りは必要ですが、できる限りご自身のニーズにあうか、精査する必要があります。
International Education Successで行うサービス
International Education Successでは、アドミッション・ストーリーの戦略作り、その実行管理、エッセイ・面接対策に特に強味を持っています。
生徒様の強味は何か、興味は何か、それを効果的に学校側にアピールするにはどうしたらよいか、その戦略をたてます。そして、生徒様のモチベーションを高めつつ、戦略の実行までサポート、管理します。
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エッセイ・面接では、グローバル企業や入学面接の実戦経験豊富なアドバイザーと密にドラフトを繰り返します。そして、提携するアメリカ人コンサルタントも一緒に仕上げを行います。
ご家族の費用面での余計な負担を減らし、もっと気軽に留学に挑戦してもらいたいという思いから、ご自分に必要な部分だけサポートを依頼する、というフレキシブルなご依頼にも対応しております。
既にコンサルタントがいる場合でも、セカンドオピニオン的なご相談も応じます。