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入寮2日目(米国ボーディングスクール留学/ご両親による手記)

1.ホテルから学校へ再び


さて入寮1日目はホテルに戻って私と過ごしたものの、翌日は朝食には寮に戻ることになっていました。

私も子供もよく眠れず、時差ボケなのだか精神的疲労なのかよくわからない状態のまま、あわただしく用意して8時にはホテルを出ました。

午後にはまた私がオリエンテーションで行くので朝は、見た目は普通にあっさりと言ってしまいました。


怖くてたまらないけれど、なんとか新しい生活に慣れなくては、出遅れたくない、という必死な決意が後ろ姿から伝わってきて、今までもっと頑張れとはっぱをかけてきましたが、ここにきて、もう頑張らなくていいよ、ここにいるだけで十分頑張っているよ、と声をかけたい気持ちでいっぱいでした。



ボーディングスクールで広大なキャンパスが広がる
広大なキャンパス

2.ぎっしりな予定

学校側は、子供達が早く寮生活に慣れるよう、Freshman(9年生=新入生)が入寮すると、留学生と国内の生徒で入寮日は異なるものの、オリエンテーションなどイベントでぎっしりと忙しくさせ、寂しくなる隙を与えないようにしています。


留学生の入寮2日目も、朝食は、留学生のお世話係の上級生がリーダーとなりグループをつくり、グループごとで食事をとり、決して孤立させないようにしています。朝食がおわるとすぐにオリエンテーションずくしです。


一方、私はホテルに戻ると、娘の電話の契約をしました。校内はWifiがあるし、基本一人で外に出ることはないのだから、電話の契約はいるのかわからず様子を見てからにしようと思っていたのですが、結局、生徒同士がTextで連絡をとりあうので、自分の電話番号がないと不便だということでした。

また、10時30がWifiシャットオフの時間なのですが、結局10時30に寝ることもなく、また、それまでバタバタしてい過ごしているので10時30以降に私と話したりするときにも使用しており、結論としては電話契約は必須でした。

他の保護者の方からTmobileなり大手のPrepaidを使っていて、お店にいった方が早いよ、と教えてもらったのですが、リサーチしたら格安の会社がいくつかあったので、さっとインターネットで申込みを終えました。esimですからすぐに使えます。本当に便利な世の中になったものです。


お昼前から留学生の親向けのレセプションがあるということだったのですが、その前にキャンパスを自分もペースで見たいと思い、早めにいくことにしました。キャンパスツアーは前日にも行っていたのですが、連れられて行くと何がなんだかわかりませんし、広いキャンパスの端から端まで歩いてみてキャンパスツアーではいかなかった部分も見たいと思ったのです。


3. Move In Day


学校に到着すると、国内のFreshmanが入寮する日とあって、前日にはないようなお祭り気分な雰囲気になっていました。寮の前にも、チョークで可愛くWelcome messageが描かれていたり、レジストレーションの前ではテントをはってお菓子や飲み物をいただけるようになっていました。人も多く、とても賑やかでした。


ボーディングスクールの寮生活
寮の入り口で上級生がWelcome Messageをデコレート

国内の方は入寮という事に慣れているのでしょう。車から引越しかというぐらいの大荷物を次々に運び込んでいます。私たちはスーツケース2個、にオンラインで買ったベッドまわりのものだけ。アメリカ人の中には、椅子なども持ち込んでいる人もいました。


ちなみに、ベッドはマットレスは備え付けですが、これが粗悪品なので、良いマットレストッパーは必需品です。そして学校からの持ち物リストにあったシーツ一式、デスクライトは事前に買っておきました。

また、Power Stripと言ってタコ足もリストに入っていたので、家にあるのでよいと思い、たこ足コンセントだけ持って行ったのですが、延長コード付きのたこ足が必要です。


私は一通りキャンパスを一巡して、レセプションで上級生の保護者の方と話したりしていると、前日に知り合った同級生のママから連絡があり、カフェテリアで食事をしているからこないか、といわれました。カフェテリアの食事を試さない手はないと思い早速いきました。


いろいろなメニューがありましたが、少しずつとって味見をすることにしました。子供が前日嘆いていたほどひどくはありませんでした。もちろんすっごく美味しいという訳ではありませんが、まぁ合格点、という感じです。


留学生組は、留学生お世話係の先輩たちと一緒に、スクールバスで最寄りのTarget(生活用品等各種取り揃えているお店)に行ってきたようです。子供は、延長コードがついたたこ足を買ってきていました(笑)。

子供と合流してまずは電話の設定などをしました。




4. ルームメイトと対面

子供と合流し部屋にいると、いよいよルームメイトが到着。アメリカ人の子ですが、1週間前からSNSでやりとりをしていて、何持っていく?何色をテーマに部屋をデコレートする?など、を話しあっていました。アメリカ人でも期待や心配でそわそわしているのは同じだなと思いました。


そんなルームメイトとやっとご対面。ご両親もとても素敵な方でした。また荷物の持ち込みの手際のよいこと。小物を置く棚から鏡、ミニ冷蔵庫まで生活に必要なもの一式をさっと運び入れていました。寮生活の文化があるアメリカならではだなぁと感じました。


ちなみに、あとでわかったのですが、AmazonなどでCollege Dorm Essentialsと検索すると、寮生活に必要なもの一式がでてくるので、そこから必要なアイテムを選ぶと便利です。


その日は午後3時に"Say goodbye to parents"、とスケジュールに記載されていました。もともと翌日、日曜日には、子供が買い物に行こうと思っていたのですが、子供は予定がかなりびっしりなので、私だけ必要品を買って学校に送り届けてよいか、と留学生担当アドバイザーに聞いたところ、この土曜日(2日目)3時をTrue Goodbyeにすることを強くおすすめする、といわれました。


私はそうはいってもまぁちらりぐらいは会ってから帰国しようと思っていましたが、子供は、また会うと泣いてしまうし、つらくなるから翌日会うかどうかわからない、と言っていました。子供の健気な気持ちを尊重しなくてはならないのですが、身勝手な私は少しでも会ってから帰りたいと思っていました。


こんな心境になるなんてお互い想像もしていませんでした。翌月にはFamily Weekendで会えるので、次に会えるまでは6週間ほど。ちょっと長いサマーキャンプに行っているようなものなのに、家でないところで生活することになることがお互いにとってこれほど辛いことだとは思ってもいませんでした。


5.アドバイザリーとミーティング


3時までの時間、まずは、アドバイザーのグループとのミーティングがありました。

ボーディングスクールの特徴の一つですが、生徒一人一人にアドバイザーがつき、学業面から生活面にいたるまであらゆることを相談できる担当の先生がつきます。


体育館でアドバイザーが各所にたっていて、自分のアドバイザーのところに行くというスタイルでした。そこで初めてアドバイザーの先生に会い、そして、その先生がアドバイザーとなる他の生徒3人とも会いました。一人ずつの面談かと思っていたのでちょっと想像と異なりました。


Boarder(寮に住む学生)だけでなく、Day Student(家から通う生徒)が半分でそこはバランスがとれるように編成しているのかもしれません。また、アドバイザーは、中国系の先生だったのですが、これはたまたまかもしれませんが、同じグループの生徒たちも他は韓国、インド系、黒人系、といった子たちだったので、生徒たちの属性を考えた編成にしているのかもしれません。


その面談が終わると、刻々とせまる3時までの間、一緒にスクールショップに行って、四六時中もっていけないといけないIDカードホルダーを買ったり、Dining Hallでランチの時に私が食べそこねたブラウニーやフルーツを一緒に食べたりして過ごしました。


子供はずっと緊張している様子なのがひしひしと伝わってきましたが、私は繰り返し嫌だったらいつでも帰ってきてよいし、また来月会えるし、気楽にね、ということばかり繰り返し言う事しかできませんでした。


6.いよいよ、さようなら

子供はあぁ、もう3時になっちゃう、どうしようと今にも泣きだしそうな様子でした。あっという間に3時になると生徒達は、親睦のためのゲームがあるのでそちらの方まで一緒にいきました。子供としてもそこで泣き出すわけにもいかないので、必死にこらえて不安そうな足取りで、自分のチームらしいところに行きました。


私は、他の留学生の親と子供たちの様子をしばらく見ていました。一人息子を見送ったメキシコ人のママは、昨日は平気そうだったのに、涙で目が赤くなっていました。


皆覚悟して、子供の教育のため、と決意したことなのに、ここにきて本当にこれでよかったのか、とか、誕生して赤ちゃんだったころから今までののこととか、様々な思いがよぎるのはどの親も同じです。


もう、親向けのプログラムはないわよね、と別の親と話しながら、子供達がグループになってゲームをするようなのですが、どうしようもなくこわばっている顔で参加しているのを目立たないようにそっと見守っていました。


もう他の親もいないのに、ずっと見ていると子供が恥ずかしがると思い、よくよくスケジュール表をみると、親向けの校長によるプレゼンテーションがまだあるので、校長とは昨日お話しましたが、やることもないので一応行ってみることにしました。


どの建物なのか迷いながらいくと、講堂には既にぎっしりと親がいて、プレゼンテーションの真っ最中でした。私が入ったときには、先生方の紹介だったようなのですが、あっという間に終了。そこでルームメイトの両親とまた合流しました。


7. 寮でのオリエンテーション


そして次は各寮で、親だけに向けた寮担当の先生方によるオリエンテーションです。

子供の寮のヘッドの先生は、まだ小さいお子さんがいる若々しくエネルギッシュな先生でした。


ヘッドの先生に加え、4人ほどの先生が担当して寮を管理してくれるそうです。どの先生もエネルギッシュでユーモラスで、こういう方たちなら信頼できると感じました。


寮生活の流れやざっとした規則などを説明され、寮生活のイメージがつくような内容でした。高校生同士で寮生活なんて、気の合う友人に恵まれればこんなに楽しいことはないでしょう。


これが子供のために望んだことなのに、一方でこんなに楽しかったら帰ってきたくなくなるんじゃないか、という不安も感じてしまいました。


プレゼンテーションが終わり、周囲の親と歓談してしばらく過ごしました。色々なバックグラウンドがありとても興味深かったです。


そのプレゼンテーションが終わると、本当にイベントは終わりだったので、もう親はむしろ帰ってほしいタイミングだったのでしょうが、私は名残おしく、最後、子供はいないものの、からっぽの子供の部屋にいき、荷物などをもう一度見たりしてから、学校を去りました。


子供とは、翌日は様子をみて、会いたくなったら連絡する、ということにしていました。

ホテルに戻ってからも何度かLINEでやりとりしました。私は眠れず、子供がいないベッドを見ながら遅くまで起きていました。


少なくとも子供はすぐに慣れて楽しむだろうことはわかっていました。私は慣れる日がくるのだろうか、いやいや、良い教育を受けてくるのだから、といろいろな思いが交錯していました。


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