ボーディングスクールでも新学年が始まり1,2週間たってちょっと落ち着いた9月中旬から正式に受験生たちによるキャンパス訪問、インタビューを受け付け始めます。
在校生徒たちにも、訪問者をみかけたら、未来の仲間たちにナイスにするように、とのお達しがきます。
受験生側もエッセイ、面接の準備やスコアの取得で大忙しの時期です。親御さまも全面的にお子様をサポートされている状況かと思いますが、ここで忘れてはいけないのは、面接時は親御様のインタビューもあるということです。
小学校受験と異なりさほど重要性は高くはありませんが、学校に良い印象を残すのに越したことはありません。ましてや準備不足でお子様の足を引っ張ることがあってはいけません。
つい後回しになってしまいがちなParent Interviewについて、どのようなものなのか、そしてどのように準備するかを解説いたします。
1.面接時の流れ
一般的には、キャンパス訪問をした際に面接が行われます。海外からの志願者も多いので、キャンパス訪問は必須ではありませんが、面接は必須です。そこで訪問できない志願者についてはオンラインで面接することもあります。
Choate Rosemary Hallのように、キャンパス訪問をしようとも面接は全員一律オンラインでという場合もあります。
たいていは、まずはツアーガイドである在校生とともにキャンパスを見て回り(30分~45分程度)そのあと、受験生の面接、最後にParent Interviewとなります。
入学審査の上で、最も重要なのは受験生の面接ですから、お子様も相当のプレッシャーに感じている場合が多いでしょう。そしてその面接が終わるのを今か今かとじりじり待ちます。待合室には、そのようにして待っているご両親たちが数組います。
さて、願わくば満面の笑みでお子様が戻ってくることを願いたいわけですが、お子様が面接官に連れられて戻ってくると、入れ替わりに親御様の出番となります。その間、お子様はお一人で待つのですが、間違ってもスマホをいじっているということはないように、持ってきた本を読んだり、または待合室に置いている資料に目を通したりして待っているとよいでしょう。
2.Parent Interviewでよく聞かれる質問
話をParent Interviewに戻しますと、お部屋に案内されますと、まずはお子様ととても良いConversationをすることができた、と始まり、お子様との面接のフィードバックをされます。
そして、これも面接官によるのですが、フィードバックのあとに、2,3質問されます。
たとえば、
なぜボーディングスクールを志すのか?
お子様の強味や弱みは?
親御様からみてお子様の性格は?
家族の中でお子様はどのような役割を持っているか?
キャンパスツアーの感想はどうでしたか?
といったことです。
このような質問が全くなく、聞きたいことはありますか?とだけ聞かれることもあります。
3. 気を付けるべきポイント
聞かれることはどこもそうは変わらないので、上記に挙げたことについては事前に考えておき、また、ご両親でそろって参加される場合は、お二人で意見をすり合わせておくことも必要です。
お子様をアピールする場ですが、あまり出しゃばりすぎてお子様の実績を並べ立てるのは印象がよいものではありません。
ご家庭の考えを真摯に、親御さまの立場だからこそ語れることをお話しましょう。
面接官は、ご家庭を学校のCommunityに迎えられるかを判断するために、親御様たちの誠実さもご覧になっています。
4.質問は必ず用意する
必ず、面接の最後に「何か質問はないですか?」と聞かれます。
学校担当者に直接会って話す機会ですから、メールなどではわざわざ聞かないことを聞きましょう。
例えば以下のような質問をします。
学校の今後の展望、目標は何か?
学校の今の課題は何か?
お子様がこの学校にFitすると思われたか?
お子様の課題は何だと思われたか?
といったようなことです。
また、キャンパスツアーをしたばかりですから、ツアー中に感じたこと、見たことについて質問するのもとてもよいでしょう。そのような質問は、学校に興味を持ってくれていると受け止められますし、面接官も喜んで答えてくれます。
ただしあまりに質問攻めにするのは逆効果です。学校としては、学校のことを信頼し、程よく教育にかかわってくれるような保護者が理想的でしょう。重箱の隅をつつくような質問攻めにすると、信頼して任せてもらえないのではないかという印象を与えてしまいます。
もちろん、気になるポイントは聞くべきなのですが、それもどうしてそのような質問をするのか、ということを説明しつつ聞くのがよいでしょう。
なお、当然ですがウェブサイトに載っているような情報を聞くと、リサーチ不足との印象を与え、本気で志望していないとみなされるので、事前に再度ウェブサイトなどをみて基本的な情報は再確認する必要があります。
5.英語力について
親御様によっては英語力が心配という方もいらっしゃるかと思います。ネイティブレベルでない限り英語面接と聞いたら誰でも心配になるものです。
しかし、面接官の方たちはそのような事情は慣れていますので、英語がつたなくても一生懸命聞いてくれます。
通訳をつける、という場合もありますが、入学後に親とコミュニケーションができないと困るので、流暢でなくても全く構わないのでご自分たちでできる範囲で対応されるのがよいかと思います。
あまり英語が流暢でないという場合でも、真摯で誠実な態度を見せれば、お子様の足を引っ張ることはないでしょう。
6.第一志望かどうか
各学校のアドミッションオフィスが気にするのは、当校にどれほど来たいと思っているか、ということです。
もちろん数校受験するのが通例なのは先方もわかっていますが、少なくとも志望校の中でも“御校は第一志望群に入っている”という態度を示す必要があります。
ですから第一志望ではなくても、ご自分たちの中で、第一志望という気持ちに切り替えて、面接などで時間をとってくださることに感謝して、誠実な気持ちで面接を受けることが大事といえます。
7. 服装
スーツでなくてはならない、ということはありません。面接官もTシャツということはありませんが、ネクタイをしていることは稀です。
受験生たちのご両親も、バシッとスーツで決められている方もいれば、ラフなかたもいらっしゃります。
ビジネスカジュアル程度が無難といえるでしょう。
ただし、キャンパスツアーがあり歩き回りますので、歩きやすい靴、及び、どんどん寒くなる時期ですから防寒対策をしっかりしましょう。
7.まとめ
日本から面接に行く場合は、海を越えたわざわざきて、時間も限られている、学校を絞り込んで訪問するわけですから、学校側もその努力を評価してくれますし、選んで訪問しているのだということはわかってくれます。
ほとんどの場合は、とても和やかな雰囲気ですすみますし、多少思ったように話せなくても、お子様が頑張ってくれたはずで、ある意味それが全てです。
ご両親ととても会話が弾んだとしても、お子様の面接自体がいまいちでしたらよくありませんが、その逆は起こり得るのです。
お子様を全面的に信頼する、という気持ちで、温かい家庭の雰囲気であることを見せられればそれで充分でしょう。
とはいえ、準備することで不安もおさまるものですし、できることなら、Parent Interviewでも良い印象を与え、お子様をバックアップしたいものです。
ボーディングスクールが集中している東海岸ですとちょうど秋の美しい季節でもあります。そのような美しい風景も楽しみつつ、成長していくお子様との思い出深い旅となると良いものですね。
IESでは親御様の事前準備のサポートも行っております。どういうことをどのような感じでお話するかといったすり合わせから、それらを英語で話す練習もアドミッションオフィスに勤務経験のあるアメリカ人と共に練習することができます。
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