ボーディングスクール受験で特徴的なのは、お子様によるエッセイや先生方による推薦状に加え、親御様によるエッセイも必要となるところです。エッセイといっても一つの質問につき200Words~250Wordsほどなのですが、いくつか質問があるのでそれなりに手間がかかります。
エッセイに、SSATに、面接に、と学校生活の合間に出願のために頑張っているお子様ために、お子様の足を引っ張らないよう、そしてさらにはお子様の努力をバックアップできるよう、親御様としては万全な内容を用意したいところです。
ボーディングスクール受験を志すご家庭の親御様ですと、ご自身でもエッセイを書かれた経験やお子様の受験のための志願書などもかかれた経験があるケースが多いですが、やはりボーディングスクール受験ですと、勝手が異なり、何をどう書けばよいのかわからないというご相談をよくいただきます。当記事ではボーディングスクール受験におけるParent Statementについて概要をご紹介いたします。
1.SAOでの出題
共通プラットフォームであるSAOでは、お子様のエッセイと同じように、全学校共通の内容のParent Statementが求められます。また、共通課題に加えて学校固有のParent Statementが求められることもあります。
共通のParent Statementでは、たとえば、以下のような質問があります。
What are your hopes for your child in their secondary school experience?
お子様の高校生活で、どのようなことを期待しますか?
Describe an experience that posed a significant challenge for your child. How did your child respond to that challenge?
お子様にとって大きなチャレンジとなった経験を記述してください。お子様はその
チャレンジにどのように対応しましたか?
Is there anything specific about the sequence of your child's schooling that you'd like to share? For e.g. skipped or repeated a year.
お子様の学校教育の順序について、共有したいことはありますか?
例:1学年飛び級をした、1学年繰り返した。
If you answered yes, please share the experience here. Were there particular things you or your child learned, gained, or changed as a result of that experience?
上記の質問に「はい」とお答えいただいた場合、その経験をこちらにご記入ください。その体験の結果、あなたやお子様が学んだこと、得たこと、変わったことはありますか?
2.Gateway
Gatewayでは、学校ごとで内容が異なります。特徴的なのは、どうしてこの学校なのか、ということを聞いてきます。その他にもある学校固有の質問を通してその学校のスタンスや考え方もよくわかります。
いずれにせよ、Gatewayを使用して出願する場合は、学校一つ一つのリサーチを十分にした上で、その学校を志望する説得的な理由が必要です。
従って、Gatewayを使用した出願は、手間が増えることは覚悟しなければなりません。
3.Communityに貢献するか、が大前提
親御様も今まで何度となくこのようなStatementをご自分のためにも、お子様のためにも書かれてきたかと思います。ですが、いざ再びお子様のために書こうとすると何を書いたらよいか、というのは悩むものです。
ここでまず大前提として、Boarding School(Private School全般で同じです)は、学校のCommunityにそのお子様がどう貢献するか、を判断の大きな軸としています。
詳しくはお子様のエッセイについての記事でご紹介していますが、貢献とは、スポーツや音楽の著しい技能を持っていてそれが学校としての業績に貢献する、という意味に限りません。むしろ、お子様の個性が学校のCommunityの健全な形成に貢献するか、ということを意味するのです。
ですから、いろいろな個性があってよいわけです。色々な個性があるけれども、イメージとしてこんな子がいたら学校のクラスが面白くなりそうだな、活性化しそうだな、こういう子と勉強したいな、こういう子がいたら寮生活も円満にできそうだな、と読み手が思えるかをイメージすることが大切です。
人間ですから、完璧ではありません。弱点もあるけれども、でもそれに対してこういう努力をしてきた、とか、こんなパーソナリティなのだ、ということを生き生きと表現できると、より真摯で誠実な姿勢が伝わってよいでしょう。
4.書く際に気を付けること
Communityに貢献する、という大前提をもとに、具体的に何を書くかを考えます。そこで大事なのは以下のことです。
お子様のエッセイ、お子様のキャラクターと矛盾しない内容にする
他の提出資料では書かれない、あらわれない、お子様の側面を書く
具体的エピソードを盛り込み、読み手がイメージできるように具体的に書く
親の教育方針、親の考え方もあらわれるように
もちろん必ずこのエピソードを書きたい、ということであればそれで問題ありません。しかし、たいていの場合は、お子様のエッセイでお子様がどのようなエピソードを書くかを見てからお子様のエッセイで使用されないエピソードをParent Statementで使うことを考えます。
ですからParent Statementにとりかかるときには、ある程度お子様のエッセイの骨子が出来ている必要があります。
なお、上記SAOの質問でもあるように、アメリカの学校では特に、今までどんな困難にぶちあたりそれを乗り越えてきたか、という話を好みます。これは大学受験においても定番テーマです。
困難に直面したときこそ、お子様の特性、ご家庭の方針がわかるものです。小さなことでも構いません。真摯に考えてお子様、そしてご家庭の姿が浮かび上がるようなエピソードを書きましょう。
また、繰り返しになりますが、Boarding SchoolはCommunityをとても大事にするので、どのようなご家庭なのか、このCommunityに受け入れてもよいご家庭なのか、ということも気にします。
さらには、どのような両親に育てられたのだろうか、というところも学校は見たいわけです。ですから、単なる第三者によるStatementではなく、親御様の考え方、人となりも学校側として安心できるように表現する必要があります。
アメリカの学校、特に上位校では、子供が精神的に自立していることが望まれるわけですから、親がいかに熱心に(=べったりと)面倒を見てきたか、ではなく、温かく見守り応援してきたという姿勢があらわれる書き方だとよいでしょう。
IESでは、Parent Statement作成のサポートを行っております。お子様のエッセイの状況も拝見しながら、どのようなエピソードを出すのが効果的か、からブレインストーミングします。土台ができているところからのブラッシュアップのみもご相談をお受けします。翻訳サービスもいたします。
頑張っているお子様をバックアップするために、親御様の頑張りどころです。是非お気軽にご相談ください。