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米国ボーディングスクール受験:推薦状について

アメリカボーディングスクール受験における推薦状について解説

アメリカでは就職するにも学校に入るにもどこでも推薦状が必要で、依頼された方もお願いする方も慣れたものですが、日本では推薦状はあまりポピュラーでなく、頼まれた方も過去に経験がなければ戸惑うものです。


そもそも誰に、どうやってお願いしたらよいのか、どこからどう始めたらよいかわからずお問合せをよくいただきますので、推薦状に関する内容をまとめてみました。


大学とボーディングスクールでは共通する事項もあるのですが、より人間教育に重きが置かれるボーディングスクールでは推薦状がより重要なため、当記事ではボーディングスクールに焦点をあてて解説します。


1.誰からの推薦状が必要か?

推薦状は、共通の受験プラットフォームであるSAOまたはGatewayから提出します。規定は下記となっています。


SAO:

  • 英語の先生

  • 数学の先生

  • 校長またはカウンセラー

  • Personal Statement


Gateway:

  • 英語の先生

  • 数学の先生

  • 校長またはカウンセラー

  • Personal Statement (雇用主、教会、家族の友人など)

  • Special Interest Recommendation (コーチやメンターなど)

    *Personal StatementかSpecial Interest Recommendation両方必要かは学校による。


どのプラットフォームでも規定は、数学、英語の先生は必須です。それに加え学校により、もう1科目受験生が任意で選んだ先生による推薦状の3通が必要になる場合もあります。


日本の学校では校長先生に書いていただくよりかは、お子様のことを直接知っている担任の先生に書いていただくケースが多いです。


数学、英語に加え、もう一科目の指定があった場合に、どの科目の先生にするかは、お子様が得意とされる科目、またはボーディングスクール入学後に特に学びたいと思っている科目の先生にするのが最も自然です。

最も好きな科目はその先生とも仲良くなることも多いでしょうから、そのような先生ですと好意的に書いていただけるので最も理想的です。


インターナショナルスクールの場合は先生も慣れていらっしゃるので純粋に好きな科目や得意な科目の先生で選べる場合がほとんどですが、日本の学校だとそうはいかないない場合もあります。


先生との相性もあって好きな科目だけれど成績が良くなかったり、または先生のパーソナリティーとして、推薦状を書いてくださるには適さない場合があります。

いろいろな要素を総合的に考えて出願のストーリーに合い、効果的な内容を書いてくださる先生を見定める必要があります。


2.第三者の推薦状を誰に頼むか?

また、Personal StatementやSpecial Interest Recommendationについても人選に悩む方が多くいらっしゃいます。両方とも求められていない場合は、多くは、部活やクラブの先生に頼むのがよいでしょう。しかし、これも学校や部活によっては顧問の先生と密な関係でなかったりもします。

部活よりも、ずっとやり続けてきた習い事の先生などにお願いする方も多いです。


お子様が受験にあたり最もアピールしたい、頑張ってきたことは何か、を考え、そしてその活動を指導し、見守ってきた人にお願いするのが理想的です。


お子様との関係の期間としては、数か月しか知りません、だと少し弱いので、少なくとも1年以上の関係はあるのが理想的といえるでしょう。

好意的に書いてくれそうか、ということも当然判断しなければなりません。


また、その方がどのような活動をしているかということを書く欄もありますので、単純にお知り合い、というのではなく、その活動においてより実績がある方ですと推薦状としては高評価となるでしょう。

ただし、何かのツテで第一人者の高名な方だけれども、お子様とは接点がない場合は、書いていただくのはよくありません。あくまでお子様をよく知っているかとのバランスを考える必要があります。


このように、人選を悩む場合も多いので、秋になってから慌てるのではなく、ボーディングスクールの受験を考え始めたら、同時にどなたにお願いするとよさそうか、ということもイメージしておくとよいでしょう。

そうすると、無意識でもその方との接点もつくるようになり、推薦状に書いていただけるネタも増えてくるのでおすすめです。


Personal StatementとSpecial Interest Recommendationの両方が求めらている場合は、Personal Statementは例えばご家族ぐるみでお付き合いされている方、小学校からの先生で信頼関係がある方、などよりお子様の個性をご存知の方で、他の推薦状では記載されないようなお子様の側面をご存知の方にお願いするとよろしいでしょう。


3.依頼する時期

推薦状のフォーマットが出るのは、プラットフォームがその受験サイクルを開始させる秋以降となります。出願の最終期限である翌年1月15日までに提出されればよいので、提出まで4カ月近くあるから、とのんびりしていてはいけません。時間があるかと思いきやうっかりするとバタバタとなります。


まず提出する期限ですが、先生方とのやりとりがスムーズにいくかはわからないですし、冬休みもありますから、年内に提出を終えることを目指したいところです。


推薦状の作成はお手間をかけることですから、期限ぎりぎりにお願いするのは先生にも失礼ですし、心象はよくないでしょう。(ただ、ぎりぎりになって出願を決めたという場合だったらもちろんやむをえません。それでもあきらめずに事情をお話してご協力をお願いしましょう。)


特に、秋以降は日本の学校はどこも行事がてんこもりで先生もお忙しい季節です。早めにお願いするにこしたことはありません。

インターナショナルスクールの場合は、秋だからといって特に行事が多いというわけではありませんし、言葉の問題もないので、もう少しのんびりしてもよいかもしれませんが、11月に入ると感謝祭やクリスマスホリデーとなり、先生方も休暇モードに入られますから、11月上旬には仕上げていただくことをイメージするとよいかと思います。


ただ、推薦状を依頼するということは、退学することも視野にいれた場合も多くありますので、その切り出しのタイミングは悩ましいことと思われます。

学校によって、留学に対する態度は異なります。推薦状を書いてもらうためには退学届けをださないとならない、という学校もあれば、合格しなかったらそのまま残っていても構わないという方針、いつ戻ってきてもよいという学校と様々です。

この点に関しては、先輩の方から経験談をきいて、最もリスクのないよい方法が何かを確認するのがよいでしょう。


ちなみに、依頼する場合は、学校によっては事情を説明しに面会となることもあります。もし面会する場合は、学校の校風次第では、日本流に手土産などを用意してご挨拶に伺うということもしておくと安心です。


4.依頼する際に気を付けること


(1)Eメールアドレスを聞く

推薦状の中身は受験生に開示されることはありません。先生方から直接システムにアップロードする仕組みとなっています。

アプリケーションシステムから先生方のメールにアップロードするためのリンクなどを送るよう設定する必要がありますので、お願いする先生方のEmailアドレスを必ず伺いましょう。

リンクがちゃんと送られたかなども確認する必要があるので、そのようなやりとりも以後Emailでできるか、といったことも確認する必要があります。


(2)翻訳が必要か聞く

推薦状はかなりのボリュームですので、ネイティブでなければ英語で書くのはなかなか負担なものです。先生によっては英語はからきしだめ、という方もいらっしゃいます。そこで先生方のお手間を減らすために、コンサルタント会社が間に入って翻訳を頼むこともあります。(弊社でも承っております。)

翻訳が必要な場合は、翻訳に日数もかかりますので、その必要の有無を確認した上で、期限をお願いするのがよいでしょう。


(3)推薦状の内容について

プラットフォームによる推薦状は項目がかなり細かく、正直書き慣れていないと何を書いてよいかわからないということも多々あります。

そこで、内容としてはこのようなことを書いてほしいということをやんわりとお伝えすることも考えてもよいでしょう。


良い推薦状は具体的に書かれていることが必要ですが、一クラスで大人数を教えていると、お子様にまつわる特徴的なエピソードもお忘れになっているかもしれません。もしこれは書いてほしいということがあれば、お伝えすることもあります。


ただし、これは必須ではありません。先生によっては心象が悪くなる可能性もありますし、逆に書くのが容易になるのでありがたがる先生もらっしゃったりとそれぞれです。先生方それぞれのお考えや性格を鑑みながら、またお子様の学校での状況も考えて、慎重に検討する必要があります。


なによりも、お子様が書くエッセイから受ける印象と矛盾する内容の推薦状となってしまうのは避けたいところです。

少なくとも、なるべく具体的に、お子様の姿が思い描けるようなエピソードを盛り込んで書いていただけるようにはお願いするべきです。


なお、推薦状の項目の中には、お子様について、特性をランクづけする箇所があります。これは、評価基準があるわけでもなく、どうしたものか困るところです。

これについては、遠慮せず、良いと思えば全て最高評価にしていただいて問題ありません。よっぽど、この部分はこれから強くしてほしい、と思うようなところがあれば、1ランク下げてもよいですが、問題なければ最高評価にしてほしいとお願いしてもよいでしょう。


5.推薦状サポート

以上のように、日本の学校の場合、手間がかなりかかることがあります。秋以降は、お子様のエッセイ、インタビューに加え、親御様のParent Statementと忙しさは佳境に入ります。

お子様がエッセイも面接も頑張ったところを、推薦状でさらにあと一押ししたいところですし、逆にお子様が頑張った分を推薦状で足を引っ張られるのは避けたいものです。

当社では、推薦状を依頼する際のアドバイスから、先生方との連絡、また、先生方にご提案する内容の作成、推薦状の翻訳も承っております。

親御様が安心して他のことに力を注げるよう、そしてより良い推薦状が提出されるようサポートいたしますのでお気軽にご相談ください。













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