ボーディングスクール受験では、生徒それぞれの人格が重視されるため、面接が合否判断において重要な枠割を持っています。
よっぽど英語が得意でない限り、面接は相当心配だと思いますし、英語に問題ないとしても、まだ面接経験などほぼない若い生徒様も、とても心配に思われていることだと思います。
面接で大事なこと:とにかく面接を楽しむ
これはどの学校でも言われますが、とにかく、面接を試験と思わず、面接官との会話、と思い、その時間を楽しむことが最も大事です。
面接官は、なるべく素のあなたがどういう人なのかを知りたいのです。ですから、受験生たちが緊張しているのは知っていますから、なるべくリラックスできるような雰囲気を作ってくれます。
ここは、緊張の殻はやぶって、面接官と楽しくおしゃべりする、そういう心構えで臨むことが大事です。
もちろん、時にちょっと強面な感じのおじさんだったりすると、固く感じることもあるかもしれませんが、皆さん本当に良い方たちばかりなので、そこは安心していただいて大丈夫です。
面接はあくまで会話のキャッチボール
日本の面接での、面接官が表情を押し殺している、一問一答みたいな重苦しい面接と異なり、アメリカでの面接はあくまでカンバセーションです。面接官もその会話を楽しもうとしている様子が伝わってきます。
ですから、まず、大事なのは、会話もキャッチボールができるようになること。
どのような方向に発展していってもいいのです。とにかく、質問にはい、いいえ、だけで答えず、必ずBecause...と足して自分をアピールしなくてはなりません。
でも、それが自分でできなくても大丈夫です。面接官は興味を持ってくれれば、え、それはなぜなの?と深堀りしてきますので、その時にたくさん話してください。
何か言えば、だいたい、「それは素晴らしいね!」と大げさに反応してくれるのでだんだん気分ものって、どんどん話せるようになってきます。
面接で聞かれること
とはいえ、事前準備は大事ですので、面接の内容が具体的にどういうものかは知りたいところだと思います。
たいていは、キャンパスツアーを終えた後に面接となりますので、“キャンパスツアーはどうだった?”という質問から始まります。面接する場所は、面接官のオフィスなのですが、そこに一緒に歩いていきながらそんな会話が始まります。
従って、キャンパスツアー中には、必ず印象的だったことをぱっといえるように考えておかなければなりません。
そこから会話が発展していって、いつのまにか時間がたって、最後に面接官も、そういえば、という感じで質問らしいことを聞く人もいれば、そのまま雑談で終わる面接官もいます。
ですが、大抵は、ちょっとしたアイスブレークのあと、さて、という感じで2,3質問されます。
以下、典型的に聞かれることが多い質問をいくつかご紹介します。
【個人的なこと】
How do you like to spend your free time?
What would your friends, siblings, or parents tell me about you?
What is something you are really proud of?
What kind of books do you read? What book do you like the best?
Who is the person you admire, and why?
この中で本に関する質問は頻出なので、必ずどの本を言うかは決めておき、もちろん理由も言えるようにしておきましょう。
読書量が学力に比例するともいわれ、アメリカでは読書を非常に大切にしています。従って、特にトップレベルの学校では、アカデミック面での素養を知るためにも、どんな本を読んでいるか、どうしてそれが好き、というのかを知りたがるのです。
受験生たちがある程度準備してきていることは知っています。ですから、多くの本の中からどうしてその本をあえてFavoriteとしたのか、を説明するのがポイントです。
どんなジャンルの本を読んでいるのか、どうして好きなのか、どう楽しんだのか、など生き生きと話せると知的好奇心が強く、アカデミックアカデミックレベルが高いという印象を持たれ、非常に好印象です。(おすすめの本についてはこちらで紹介しています。)
次に、自由時間に何をやるか、もよく聞かれます。
今の生徒様たちは忙しく自由時間なんてほとんどないかと思われます。ちょっとある自由時間だったら、テレビを見たり、友達と遊びにいく、とかたいしたことしてないよ、と思うかもしれません。
ですが、それでも大丈夫です。テレビを見ます、といえば、必ずテレビでも、何を見るの?と聞いてきます。そこで、〇〇を見ています、なぜなら、、と話していけばよいのです。
一方で、ここで、「面白いから。」でとまっては印象は悪いでしょう。その先のどうして面白いか、を面接官もその番組見てみたい、と思うような程度まで話せるとよいです。
【学業面について】
What subject do you like the best and why?
これも頻出です。やはりアカデミックレベルの高い生徒に来てもらいたいので当然でしょう。気を付けたいのが、すでに提出しているInquiry Form(これについては別記事でご紹介します。)や、後に提出するEssayと矛盾しないように答えることです。全く異なることを言っていしまっては心象が悪くなります。
ボーディングスクールでは、知的好奇心が高い生徒が学ぶ場です。従って、好きな科目は何でもよいのですが、その理由をこれまた生き生きと述べられると知的好奇心の高さをあらわすことができるといえます。
以上、一般的に最も聞かれる質問をご紹介しました。
ただ、学校によっては、アカデミック面の質問を重視しているとこもあったりしますので、志望校ごとにリサーチしておく必要があります。
変化球もくる
このような質問の他にも、「もしあなたが〇〇だったとして、あなたはどうする?」「〇と△と□があるとして、あなただったらどれにあてはまると思う?」といったようなその場で考える質問を出されることもあります。
緊張していますし、急に変わった質問がくると意味がわからないこともあるかもしれませんが、そういう時は、遠慮せず聞きなおして大丈夫です。
このような質問は正解、不正解はありません。なので、自分なりにこれ、と思った答えをした上で、その理由を論理的に話すことを心がけましょう。事前準備しきれない質問をして、対応力やより、素の姿を見ようとしているのです。まずは、一呼吸して、大丈夫、と自分に言い聞かせ、落ち着いてから話し出しましょう。
質問も用意しておく
必ず面接の最後に、「何か質問はありませんか?」と聞かれます。ここで、特にありません、というと、その学校にあまり興味がないのか、と思われてしまいますので、あらかじめいくつか用意しておきましょう。
ウェブサイトに書かれていないこと、説明会の内容に関すること、自分も興味あるコースに関することでも何でもよいです。ここは必ず何かしら質問しましょう。
素の自分で大丈夫
面接は全体として雑談みたいな感じになることもあります。ある面接官は、フランス人の受験生と面接したときは、その父親の農場でトリュフを探す犬の話をずっとしてた、と言っていました。(笑)
面接官が見ているのは、話した内容のすばらしさやいかにユニークかではなく(もちろん素晴らしければそれにこしたことはないでしょう)、どのような雰囲気で話しているか、というところなのです。
面接官は多くの生徒と話しているので、少し話せば、この生徒はこういうタイプかな、とあたりがつくわけです。それで、その年の学年のポートフォリオのピースにはまるようだったら合格となるわけです。
従って、すごいことを話そうと意気込む必要もなく、また、すごいことを話せない、と心配する必要もなく、とにかく大好きな先生とお喋りをする、という気持ちで面接に臨まれるとよいと思います。
それでも場馴れは必要
せっかく話したいことがたくさんあるのに、話す経験が少ないがために、どう話していいかわからず静かな面接となってしまう、というのはよくある話で、非常にもったいない話です。
ボーディングスクールでは授業中でも積極的に発言してクラスに貢献できることが尊ばれます。従って、おしなべてあまり話せない人には向かないともいえるので、やはり積極的に話そうとする姿勢は好印象です。
そのようなアウトプットの部分について、まだ経験がなかったり、不得意な場合はある程度の練習でかなりちがってきます。
従って、自分のコアとなるものを決めたら模擬面接的にアウトプットの練習をすることは重要でしょう。また練習をすることで、本番も落ち着いて臨むことができます。
まとめ
会話を楽しんで、といわれても、その場になったら当然緊張します。その中でも、フィーリングのあう面接官、会話が盛り上がった学校は、数値化や言語化できない、まさしく”ご縁”のある学校なのです。
そんなご縁に巡り合うためにも、準備はぬかりなく、そして、本番は楽しく、となるようIESでは面接準備のお手伝いをしています。
どのような質問がきても、対応できるようブレインストーミングをし、質問に対する捉え方、思考方法などを指導します。是非お気軽にご相談ください。